我々はよくソーシャルメディアの素晴らしさに喜びを感じるが、その喜びの中には時々その隠れた部分を見落としていることがある。ソーシャルメディアの優位点や不安点を認識することは、企業がソーシャルメディアに取り組む際に広い視野をもって臨むことを助けてくれるはずだ
既に何度も耳にしたものもあるがここで整理をしてみたいと思う
■優位点
- 従来の印刷やテレビ、屋外広告などに比べ費用が安い
- 消費者から早く、本音の、詳細なフィードバックが得られる
- 消費者との深い関わりを持つことができる
- 優れたブランドマーケティングやカスタマーサービスと同様に、ソーシャルメディアで正しい振る舞いをした時の効果・メリットは数年にわたって継続する
- すべての顧客と従業員がメディアへの情報発信源となり得る。ソーシャルメディアは口コミの増強剤になる
- 過去ではマーケティングに多くの費用を投下した企業がたびたび勝利を収めてきたが、今日では顧客に対し優れた製品やブランド体験を提供する企業が勝者になる可能性が高まっている
- ソーシャルメディアは多くの企業が避けようとする時間と労力を要する。ゆえに、労力を惜しまない企業が台頭することができる
- 築き上げたメディアを利用すれば新たな才能を効果的に採用することもできる
■不安点
- ソーシャルメディアの効果・メリットの多くは直ぐではなく数ヶ月の時間を要する。ブランドマーケティングやカスタマーサービスといった長期的な取り組みと同様に考えなければならない
- ツールが急速に変化する。かつてはMySpaceやOrkut、Friendsterであったが、今日ではFacebookやmixiとなっている
- 見えない労力的コストが多い。顧客とのリレーションシップを構築するにはもちろん時間がかかる。オフラインと同様の時間や苦労がソーシャルメディアでも求められる
- 対面のコミュニケーションの機会を減らしてしまう可能性がある
- 顧客が適正に対応されていないと感じた時に、彼らの不満や言い分を表現する場所になってしまいブランドの評判を傷つけてしまうかもしれない(対応により挽回はできる)
- ブランドのポジションを顧客や従業員に預けることになる。時には彼らが望まない場所へ導いてしまうこともあるかもしれない(ディレクターの腕の見せどころだろう)
他のマーケティング手法と同様にソーシャルメディアにも不安点はあるが、様々な事例を見るかぎりでは取り組んだアドバンテージが不安を上回っているように感じる。そしてもしかすると、取り組むか取り組まないかの選択肢は残されていないかもしれない。問題はどれだけ上手に取り組むかで、何もしないのは最悪の事態なのだろう
ソース:ClickZ 14 Social Media Pros and Cons